青春アドベンチャー10回シリーズの前半戦。
1202年から1204年くらいの地中海が舞台です。
主役はベネツィア当主エンリコ=ダンドロの孫娘にして船長のフェリチータ、
そしてビザンツ帝国の皇女テオドア。
フェリチータは頭も切れ、計算もできる商人。例によって美人。
デオドアは天真爛漫と言いますか、いかにも王女様という感じですね。
叔父に帝位を簒奪されたとして奪還に燃える若き皇太子アレクシオスは非常に好感を持てる人物。
フェリチータとデオドラが出会い、アレクシオスと邂逅する。
銭の算段なく結成された十字軍は、先にザラ(ザダル)を占領。
もちろん先導はベネツィアです。ハンガリーに取られてたので取り返したかったんですね。
ここでいざこざ。
(そうそう、ザラはゲオルク・フォン・トラップさんの出身地なのですよ。豆知識です)
作中は割とさらっと描かれますが、時の教皇インノケンティウス3世から破門(のちに解除)されるほどの騒乱でした。
まあキリスト教徒がキリスト教国攻めてますからね・・十字軍の名の下で。
商人と、十字軍と、ビザンツの皇子と皇女、それぞれの思惑が交差します。
フェリチータは過去にコンスタンティノープルに住んでいたことがありいつかまたあの街に戻りたいという思いを胸に。
十字軍はあふれるばかりの名誉と資金を得るために。
アレクシオスは、東西教会の統一を掲げ、ともに手を取りイェルサレムを奪還する夢を見て。
テオドラは確かにお嬢様ですが、アレクシオスがぶちあげた東西教会の統一や共同してのイェルサレム奪還といった言説にはかなり否定的でした。政治感覚はあるんでしょうね・・皇女は皇女ということでしょうか。
サラに係留し、1203年6月にはコンスタンティノープルへ。
大バトルかと思いきやあっさり戦闘は終了。
アレクシオス3世(アレクシオスの叔父)はセリフ一つまともになく逃げ出します。
アレクシオスとテオドラの幼馴染で、ビザンツの騎士テオドロスも民を守る思いが強く良いですね。
とりあえずアレクシオスがアレクシオス4世として即位したところで第5話は終了。
5話のラストでのテオドラのセリフ
「でも、覚えておいてね。もしソナタがこの帝国とアレクシオスに禍をなすなら。私、そなたを許さないわ」
この後、コンスタンティノープルで起こることを考えると憂鬱です。
暁のハルモニアの時のグスタフ=アドルフなんかもそうでしたが良い人すぐ死んじゃいますからね・・
コメント
10月28日
23:03
1: あおねこ
ラジオドラマではあまりこういうのってないような
10月29日
00:15
2: 闇従(あんじゅ)
>>あおねこさん
作者の並木陽さんはこれまでもグルジアの女王ルスダン(『斜陽の国のルスダン』2017年8月)とか、三十年戦争(『暁のハルモニア』2018年8月)とかなかなか他で見られない題材でオーディオドラマを書いていていつも新作を楽しみにしてます。