・・朝、出かけてきます。
南北戦争ファンにとって通泣かせだったアニメが昔フジテレビ系列で放送していたハウス名作劇場「愛の若草物語」でした。原作はキリスト教色が濃いので、日本人になじまないと感じたスタッフが南北戦争を前面に押し出して制作しました。
四姉妹らの家がゲティスバーグ近くの町(ゲティスバーグとチェンバーズバーグの間にあるFayettevillと思われる)という日本オリジナル(?)の脚色で、初回から8回までゲティスバーグ戦を直接絡めて描くという大胆さ。冒頭いきなり、末娘の通う小学校の担任が「先生は戦争に行くことにした」と言い出して、単に原作をなぞっただけの作品でない事を強烈にアピール(誰に?南北戦争ファンに?ちなみに以下の括弧内は劇中の驚くべき台詞)。
四姉妹らの父親も原作では従軍牧師だったのに工兵大尉とされており、チャンセラーズビルの戦いで負傷したのか腕を吊って帰宅(「こうして休暇をもらえ、むしろ敵の砲兵隊に感謝したいくらいだ」)、父の帰還を祝ってピクニックに出かけた一家は南軍の偵察騎兵に遭遇し(「こんなに近くに南部の兵隊がいるなんて、もうビックリ」末娘)、電信でポトマック軍司令部に連絡(「昨年南軍はメリーランド州に侵入しました。どうしてこのペンシルベニア州にこないという保証があるのです」)。父は司令部に呼び戻され、町はゲティスバーグに向かう南軍に占領されます(「今までワシントンを正面から攻めて失敗ばかりしてきたから、今度は後ろから攻めてやろうとしてるんだわ」)。揚げ句、逃亡奴隷を地下室に匿って、南軍の1個分隊に家宅を捜索されるわ(「北部にいると思って、お前さん、なかなかの口をきくじゃねえか。いいか今に思い知るぜ。俺たちが合衆国をやっつけてリンカーンの奴を縛り首にした時には、黒人はまた奴隷になるんだ」)、南軍が敗走する際、町が焼かれて一家が焼け出されるわ(「こっちには来ないわ。こっちに来たらヴァージニア州には遠回りになるじゃない。攻め込む時は遠回りするかもしれないけど、逃げる時はすぐ逃げるものよ」)、一家が投資していた製靴工場が焼かれて無一文になるわ(「お父様の知り合いでジェームズさんのやっていらっしゃる製靴工場に・・・」に続けて「製靴工場って、靴を作る工場?」と聞き返させたりと確信犯的)で、原作無視の暴走ぶり(原作者が観たら、その場で息を引き取るだろう)。マサチューセッツ州に移住した後も、なにかと戦争に関する必要以上に詳しい描写が散見されて嬉しい限りです。(知り合いの新聞記者がピーターズバーグの塹壕戦の取材に行ったりする場面あり。「国に200ドル払って入隊免除になったはず」「戦争はこれからますます激しくなります。南軍は相当強力です。かわいそうだけどエドも必ず死にますよ」といった台詞も飛び出す)。これは是非、バンダイから出されている名作劇場DVDボックスで揃えたいところです。
コメント
10月06日
07:59
1: 静庵(せいあん)
おはようございます。
「愛の若草物語」は見ていませんでしたが、主題歌だけは覚えています。
東京だと確か「タッチ」や「陽あたり良好!」が終わった後に放送していたと思います。
「小公女セーラ」までは見ていました。
10月06日
10:16
2: 退会済ユーザー
「小公子」「小公女」「私の足ながおじさん」は
原作をひと通り読破しましたが、アニメ版は未見。
こちらは両方とも未見です。
・・・スマヌ
10月06日
17:01
3: U96
>静庵(せいあん)さん
確か「愛の若草物語」、途中で主題歌がかわるのでしたね。
10月06日
18:00
4: U96
>倶利伽羅いちろうさん
小学生のころ盆踊りとともに「私の足ながおじさん」という長編アニメ映画が繰り返し、上映されていました。これは日本アニメーションの制作だったのかな?