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咲村珠樹さんの日記

(Web全体に公開)

2013年
02月11日
22:29

あとみっく・きゃのん

アトミックキャノンM65、通称「アトミック・アニー」は1950年代に作られた核砲弾専用の大砲です。
要するに榴弾砲のように、核の砲弾を撃ち込む訳ですね。
口径は280mm、有効射程はおよそ20マイル(約32km)。
米陸軍の兵器開発を担った「ピカティニー・アーセナル」の技術者、ロバート.シュワルツとサミュエル・フェルトマンによって、第二次大戦の「アンツィオの戦い」で使用されたドイツの280mm列車砲、クルップK5(レオポルドが有名)を参考に設計され、連合軍でのK5のあだ名「アンツィオ・アニー」から「アトミック・アニー」の名前が生まれました。

いわゆる「戦術核」の一種です。

当時は「核兵器」というものの実態が判らなかった為、どちらかというと「ものすごく威力の大きい兵器」という位置づけに過ぎなかったようです。
同時期には、高速爆撃機を撃墜する為の空対空ロケット核兵器(無誘導)AIR-2ジニーも開発されています。

ミサイルも完全に実用化されていた訳ではなかったから、というのも理由のひとつですが……今からすると、ものすごく大雑把かつ、物騒きわまりない兵器ですよね。

当初専用弾として用意されたのは15キロトン級のW9。
後に性能向上型のW19(15〜20キロトン級)に更新されています。
1953年5月25日の午前8時30分、ただ一度の核砲弾発射実験がネバダ州の核実験場「フレンチマン・フラット」で行われました。
これはその実験の記録映像(発射シーンは9:00あたりから)。


……正直、計り知れない恐ろしさです。まんがみたい。

朝鮮戦争休戦後の韓国とヨーロッパに配備されましたが、ミサイルの発達を受けて兵器としての重要性が低くなり、一度も実戦で火を噴くことなく、1963年に退役しました。