池田恒興は本能寺の変の後に摂津一国を与えられて、家老座の一員となり、織田信孝が滅ぶと美濃を与えられ大垣城を居城とするようになります。東濃の兼山城に娘婿の森長可が入り、尾張の織田信雄を押さえる役回りを与えられます。
信長の死後に行われた清州会議では、織田家の後継者は信長の嫡孫三法師にする約束になっていた訳ですが、これを簡単に反故にして秀吉のところへ走るということに対しては、誰もが倫理上の引け目がある、これが秀吉政権の弱点であり、信雄あたりに突かれると困ったことになります。そこで恒興が必要になってきます。信長の乳兄弟の恒興ですら、三法師を無視して、信雄を敵として秀吉に仕えているではないか、ならば他人の自分が秀吉に仕えたところで非難されるものではない、という言い訳ができることになり、倫理上の弱みはいたって少ないものになります。
(つづく)
コメント
01月10日
18:20
1: RSC
有名な問題児、森長可も登場ですね。
01月10日
19:39
2: U96
>RSCさん
はい。このコンビ、軍功をあせって、とんでもないことになります。本当ならば、そこに居てやるだけで、秀吉にとってありがたい存在のはずなのですが。