ヘンリー・ハウス・ヒルは起伏のある開けた高台でウォレントン・ターンパイクがマナッサス~サドリー街道と交差する付近を見下ろしています。その名前は丘の頂近くにあるジュディス・ヘンリー夫人の家に由来していますが、この未亡人は南北戦争初の民間人の犠牲者となる運命にありました。
北軍がマシューズ・ヒルの南軍の戦列を破る間、南軍のトマス・J・ジャクソン准将は細心の注意をもって指揮下の旅団をヘンリー・ハウス・ヒルの上に配置していました。ジャクソンは兵を丘の後ろ側の浅い窪地に展開しました。そこなら北軍の砲火からは守られているし、眼前の峰をさっと占拠することも可能でした。算を乱した南軍の残存兵がマシューズ・ヒルからヘンリー・ハウス・ヒルに集まってきたころには、南軍で部隊として体をなしているのはほとんどジャクソンの旅団だけでした。
バーナード・ビー准将が馬をジャクソンの脇まで寄せ、南軍は北軍の進軍を食い止められず後退しているという指摘をしました。混迷の中にも一人平静さを発散させながら、ジャクソンはビーに自分の旅団を核として後退してくる兵をまとめることを持ちかけました。ビーは退却する南軍兵士の群れの中に馬を進め、ヴァージニア兵の背後に集結するようVMI(ヴァージニア軍事研究所)の元数学教師を指して叫びました。「見よ!ジャクソンが石壁のごとく立っているぞ!」
(つづく。ストーンウォール・ジャクソン、レジェンド・ビギン!)
コメント
11月17日
19:33
1: RSC
ようやく主役ジャクソンの登場ですね。
11月17日
19:54
2: 退会済ユーザー
イラスト(動画)が渋い。
11月17日
22:00
3: U96
>RSCさん
はい。長かった・・・
11月17日
22:02
4: U96
>倶利伽羅いちろうさん
ありがとうございます。私も気に入っております。
11月18日
23:29
5: k-papa
当初、南軍が優勢だったとは・・・。
今更ながら、不勉強でした。
ゲティスバーグの戦いぐらいしか知ってないし。
11月19日
05:25
6: U96
k-papaさん
これが世にいう第1次ブルランの戦いです。
南北戦争についての最適な資料は学研M文庫から出ていた「南北戦争 49の作戦図で読む詳細戦記」ですが、絶版で入手難です。
11月19日
06:06
7: U96
>k-papaさん
ゲティスバーグの戦いも書いております。よかったら読んで下さい。
http://otaku-mk2.net/diary/55117?comment_count=6