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U96さんの日記

(Web全体に公開)

タグ : 南北戦争

2018年
11月14日
19:17

ストーンウォール・ジャクソン伝(その6)

 二個師団(デーヴィッド・ハンター、サミュエル・ハインツェルマン両准将の師団)からなる約1万3千の側面迂回部隊は、南軍の左翼をまわる大胆かつ劇的な行軍を開始しました。道は狭く、ところどころ倒木に阻まれていました。しかも、二とおりある道のうち、北軍の道案内は遠回りのほうを案内しました。近道ではこちらの動きが敵に見つかってしまうと信じてのことでした。先頭の旅団がサドリー・スプリングズの浅瀬に着いたときには九時半になっていました。兵は七時間歩きづめで、敵左翼まではさらに二キロ歩かねばなりませんでした。
 北軍の二個師団が行軍中、南軍のボーレガード准将も攻勢を検討していました。ブラックバーンの浅瀬から北軍左翼への攻撃です。しかし、ボーレガードの命令はあいまいで混乱をきたし、幕僚たちも手際が悪かったのです。午前半ばには、ボーレガードはやむなく作戦の中止を決断しました。その間、石橋の守りを託されていた南軍の准将ネイサン・G・エヴァンズ(通称シャンクス・エヴァンズ)は手旗信号によって北軍が側面を迂回し、サドリー・スプリングズから南へ向かって進軍中であると警告されました。エヴァンズは部隊に九十度転向させ、北に正面を向けました。
 十時少しすぎ、密林を抜け出てきた北軍は、マシューズ・ヒルと呼ばれる高台に陣取ったエヴァンズの兵からの猛火を浴びました。バーナード・ビーおよびフランシス・S・バートウの旅団もエヴァンズ支援に駆けつけ、南軍はマシューズ・ヒルの上に強固な戦列を組みました。ハンターもヘンリー・W・スローカム大佐も負傷し、北軍の側面迂回作戦は停滞したのでした。
(つづく)