奇想天外兵器の宝庫といえばドイツ。
「あれ? こんなことしたらイケるんじゃ?」
というトンデモ発想を実用化できる技術があった為に、訳の分からない兵器が色々生み出されました。
そのひとつがこの親子飛行機「ミステル」です。
戦闘機の下に爆弾を満載した無人(無線誘導)の爆撃機を装着し、敵の近くまで行って切り離し、爆撃機を突っ込ませる……というもの。
もともとは「爆撃機に戦闘機をくっつけていけば、航続距離に問題がある自軍の戦闘機でも護衛ができるんじゃ?」という発想が原点。
それが途中から「戦闘機と爆撃機とに乗員を配置すると無駄だから、空中戦をする戦闘機だけ、パイロット乗せればいいじゃん!」ということになり、爆撃機というよりは巨大な飛行爆弾をくっつけた戦闘機……というものになりました。
下にくっつく爆撃機は、ユンカースのJu88。
上の戦闘機はメッサーシュミットBf-109の場合と、フォッケウルフFw-190の場合がありました。
バランス的には「爆撃機に戦闘機が乗ってる」ですが、この場合戦闘機が母機で、爆撃機を切り離し後、遠隔操縦します。
親子式に連結した飛行機を切り離し、突入させるという点では、日本海軍の「桜花」に似ています。
ただ、こちらは突入する機体は無人ですし、爆弾の量も多く(1.8トン)なっています。
実戦投入してみると……。
桜花で母機一式陸攻の名パイロット、野中五郎少佐が「衣川(の合戦)だよ」と言ったのと同じように、切り離し前の状態では鈍重な機体に成り下がり、撃墜されるケースが多く、戦術的に目立った戦果は挙げられませんでした。
コメント
10月01日
21:28
1: U96
…なあに「フリッツX」がありますよ…
10月01日
22:31
2: 咲村珠樹
>U96さん
……でもむしろ、こっちの人の方が怖かったりして(^^;