カレーといえば、海軍を連想させますが、陸軍もカレーを熱地、寒冷地ともに重用しております。太平洋戦争時の横文字禁止の時代になると辛味入汁掛飯と呼称しました。
[カレー汁]熱量324カロリー、蛋白質18.5g(陸軍刊『軍隊調理法』から)
材料(1人分)
牛肉(または豚肉、羊肉、鳥肉、貝類)70g
馬鈴薯100g
人参20g
玉葱80g
小麦粉10g
カレー粉1g
食塩少量
ラード5g
準備
肉は細切れとなし置く。馬鈴薯は2センチ角くらいに、人参は小口切り、玉葱は縦四つ割に切り置く。ラードは煮立て、小麦粉を投じて撹拌し、カレー粉を入れて油粉捏(ゆふんねつ:ルウのこと)を作り置く。
調理
鍋に肉と少量のラードと少量の玉葱を入れて空炒りし、約350ccの水を加え、まず人参を入れて煮立て、馬鈴薯、玉葱の順序に入れ、食塩にて調味し、最後に油粉捏を煮汁で溶きのばして流し込み、撹拌す。
備考
イ、温かきご飯を皿に盛りて、その上に掛くればライスカレーとなる。
ロ、調理はパンの副食にも適す。
…困ったことに陸軍にはライスカレーを食べるための適当な器がありませんでした。部隊では、ご飯は「飯皿(飯碗)」に盛り、「汁茶碗」に入れたカレー汁を掛けながら食べたと思われます。
しかも将校はマイスプーンを自弁で用意していましたが、一般の兵達は竹の箸で食べていたようです。
コメント
08月20日
07:11
1: 退会済ユーザー
羊・・・・どんな味だ?・・・
08月20日
07:15
2: U96
>倶利伽羅いちろうさん
独特の風味みたいですね。匂いがいやだという人もいます。海軍で山羊を食べたエピソードもそのうち取り上げたいと思います。
08月22日
21:10
3: ちはや
油粉捏かぁ……、なるほどたしかにw
この時代の外来語の翻訳は面白いですね。
08月22日
21:21
4: U96
>ちはやさん
文献によっては「ゆふんでつ」とルビを振っております。漢字の読み方としては「ゆふんねつ」なので、今回はそれに習いました。