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U96さんの日記

(Web全体に公開)

タグ : 潜水艦

2019年
05月26日
18:01

オーストリア・ハンガリー軍の潜水艦部隊(その7)

 1917年には、もうひとつの転機が訪れています。海軍で唯一の攻撃兵器は潜水艦であるという認識から、それを新しい別の作戦に用いられないか検討が始まりました。海軍は1915年以来、連合軍がじわじわと増強を続けるオトラント障壁に着目し始めたのです。潜水艦にとって次第に脅威が大きくなると判断したオーストリア・ハンガリー海軍は、1916年に何度かそこを襲撃していました。そして今度は、哨戒艦ととネットを存分に破壊し、連合軍がオトラント障壁を放棄せざるを得ないほどの損害を与えることを目的とした大規模な攻撃が計画されました。これによって発生した発生したオトラント海戦は、大戦中、地中海で生じた最大規模の海戦となりました。
 その海戦と、障壁に対する様々な作戦は、1914年以来、潜水艦が海戦に占める重要性がどれほど大きくなったかを如実に物語っていました。中欧諸国海軍の攻撃力の中枢を潜水艦が占めていることが、これで明らかとなりました。1918年になり、アメリカ軍の艦船が応援に駆け付けるまで、連合軍の対潜部隊は昼間にしか哨戒に当たれなかったことを考えれば、攻撃は部分的には成功したと言えました。
 こうしてフォン・トラップ艦長はU-14を指揮して、2カ月で3万トンを撃沈するという、最も成功を収めた哨戒行動をとることになったのです。この成功で彼は、最初の「サブマリン・エース」となり、海軍に2人のヒーローの1人になるのです(もう1人はニコラス・ホルティ)。もっとも、彼は当時より今日のほうが有名です。トラップ一家が描かれた映画『サウンド・オブ・ミュージック』の「シンギング・フォン・トラップズ」の父親として。
(次回最終回)

コメント

2019年
05月26日
21:44

1: 退会済ユーザー

やはり国家規模の有名人でしたか・・・
ナチスに目を付けられるわけですね。

2019年
05月27日
05:51

2: U96

>倶利伽羅いちろうさん
はい。ナチスはなんとしても取り込みたいと思っておりました。