晋では呉の反撃に対して10万以上の大軍を動員し、荊州刺史 楊肇が包囲された歩闡を直接、救援するために西陵に向かい、車騎将軍 羊祜が呉軍の主力を西陵から誘導するために江陵へ進撃しました。また、巴東監軍 除胤が水軍を率いて長江を東進し、水上からの連絡線を確立するために西陵に向かいました。
晋軍の目標の一つである江陵は平地にあり、道路がよく通じており地形は防御に適していません。陸抗は江陵督 張威に命じて、堤防を作らせ水をためて平地を水びたしにして敵の進撃を阻止するという作戦をとっていました。羊祜はこれを逆用して船を使って食糧を輸送しようと計画し、堤防を呉軍によって破壊されないように、歩兵部隊を進撃させるために堤防を破壊すると逆の情報をリークしました。陸抗は羊祜の意図を察知し、偽りの情報に惑わされた将軍たちの反対にもかかわらず、堤防を破壊させました。このため羊祜は当陽まで進撃したところで、食糧の輸送については、船をあきらめて車の運搬に切り換えなければならず、多数の人員を食糧の輸送とその手段の変更のためにさかねばなりませんでした。
(つづく)
コメント
03月05日
19:44
1: 闇従(あんじゅ)
化かし合いになってますね~
陸抗の采配が光る。
03月05日
19:50
2: RSC
陸抗の父陸遜も劉備を迎撃した序盤は、将軍達に意図を理解させるのに苦労していますね。
03月05日
19:51
3: U96
>闇従(あんじゅ)さん
はい。次回も陸抗は八面六臂の活躍です。
03月05日
19:53
4: U96
>RSCさん
陸一族は苦労人の家系なのかもしれないと思いました。
03月06日
19:14
5: CAOCAO
赤壁で孫権が開戦に踏み切れなかった時もそうですが、やはり呉は組織の意思統一が難しいですね
君主の力が強くない豪族の寄り合い所帯なので、常に調整に苦労してる印象があります
03月06日
19:51
6: U96
>CAOCAOさん
まるで毛利氏ですね。毛利、吉川、小早川合体でひとつの戦国大名毛利氏になるという。