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U96さんの日記

(Web全体に公開)

タグ : 南北戦争

2018年
11月20日
18:47

ストーンウォール・ジャクソン伝(その10)

 午後四時、北軍の兵士は行軍または戦闘に十四時間もぶっ続けで従事していたことになります。疲労困憊からすでに落伍したものも多く、午後遅くなると戦う気力の残っている兵はほとんどいなかったのです。マクダウェル少将はまだ勝機が手中にあると信じていましたが、北軍兵士たちはヘンリー・ハウス・ヒルから退却を始め、ヤング川を渡って石橋方面へと向かいました。新たな援軍を得た南軍がチン邸近くの北軍に攻撃をしかけたことも、北軍の退却を加速させました。
 退却する北軍の兵士たちは、すでに部隊としての体をなしておらず、指揮する者もない人の流れで、兵たちは個々に石橋を通り、あるいは川を泳いで渡る者までいました。南軍の大砲が石橋まで進み出て、後退する敵軍に向けて何発かの砲弾を撃ち込みました。そのうちの一発が偶然三キロほど東のカブラン川にかかる橋を直撃し、荷馬車をひっくり返したため、ウォレントン・ターンパイクの交通を遮断しました。この時点になると、退却は潰走になっていました。兵たちは街道を離れて広野に逃れ、とにかくワシントンの方角を目指しました。驚いたのは、夫人を伴い、ピクニック感覚で戦場見物に来ていた連邦の議員たちでした。彼らは合衆国軍が賊軍を退治するところを観るつもりだったのです。
 南軍による追撃は行われませんでした。この戦いでは勝者も敗者に劣らぬ混乱をきたしていたのでした。ジャクソン准将だけが真剣に追撃を提案しました。しかし、ボーレガードとジョンストンはそれを却下し、勝ち誇りつつも疲れ果てた南軍はやっとのことで手にした勝利の感慨にひたりつつ野営にはいったのでした。
(つづく)

コメント

2018年
11月25日
23:35

1: k-papa

結局泥仕合だったのですね。
うーーん、追撃できたとしても深追いで南軍の勝利も微妙だったかもですね。

2018年
11月26日
06:30

2: U96

>k-papaさん
なにせ14時間も戦っていたのですからね。眠りたくもなりますね。