戦争終盤、多くのドイツ潜水艦が、ソ連軍進撃路から逃れるドイツ人避難民を運搬しました。その前例を作ったのが、U68の元艦長で騎士十字章受章者カール・フリードリヒ・メルテンです。彼は1944年7~8月に第24潜水戦隊司令として、メーメルのナチス党地区指導者の強固な反対を押し切り、同地区のヒトラーユーゲント6000人に続き、民間人全員を避難させました。1945年1月と2月には、ダンツィヒ湾のピラウ及びヘラ(現在ポーランド領グダニスク湾のバルティスクとヘル)に所在する訓練部隊のUボートが避難船に変わり、民間人や防衛任務を解かれたヒトラーユーゲントの分遣隊、負傷兵などを、バルト海中央を突破し、ボルンホルム島へ移送しました。これらの作戦に参加したUボートには最新式の少なくとも11隻のXXI型、数隻のⅦC型、訓練任務から退役していた2隻のⅡ型が混在していました。XXI型は、それぞれが40~60人の避難民を運び、U721(艦長ルートヴィヒ・ファブリシウス中尉)は100人以上を移送しました。一方、U56(艦長代理は騎士十字章受章者ヴァルター・ケーディング少尉)の小さな区画では、オムツの取れない幼児1人など子供4人と女性2人を収容するのが精一杯でした。
ついでながら、ドイツ期待の新型XXI型Uボートで終戦までに作戦哨戒に出たのは2隻だけで、両艦ともに戦闘がなかった上、1隻がエンジンに浸水で引き返しています。
コメント
10月30日
19:53
1: 退会済ユーザー
エンジン浸水で・・って~~~
ドイツの科学力は世界いち~~~~~~~!!
ぢゃなかったのか?
10月30日
20:02
2: U96
>倶利伽羅いちろうさん
新型に初期不良はつきものです。パンターだって、クルスクの戦いでデビューして、全部戦場から回収されております。