「太平洋戦争」の過酷な戦局下で戦う将兵をサポートするために、昭和17年になると、「特殊製剤」と呼ばれる薬品の給与が「艦隊要員」「潜水艦搭乗員」「空中勤務者」をはじめてとして開始されました。
昭和17年2月17日になると潜水艦乗員の疲労回復を目的として、「軍務機密第一四四号」により「潜水艦乗員ノ保健及疲労防止」の規定が通達されました。
この規定により、30日以上の連続長期行動と北緯38度以南で行動する潜水艦乗員に「ビタミン錠」と「特殊消化錠」の配給が定められました。
「ビタミン錠」は1回1錠を1日3回の食事前に服用し、「特殊消化錠」は1回1錠を1日3回の食事後に服用することが規定されました。
つづいて夜間視力の増強と倦怠感の除去を目的として、昭和17年5月8日に「官房第ニ八○ニ号」により「夜間視力ノ保健増進及除倦覚醒剤」の規定が通達されました。
この規定では、「見張員、測的員等ニシテ特ニ夜間視力保健増進ヲ必要ト認ムル者ニ対シ、『視力回復錠甲』『視力回復錠乙』及『ビタミンA球』ヲ、又見張員、水中測的員、電信員、操舵員、機関員、其ノ他過度ノ精神作業ニ従事スル者ニ対シ、軍医科士官ニ於テ使用適当ナラズト認ムル者ヲ除キ、夜間長時間当直中、特ニ緊張ヲ必要ト認ムル者ニ対シテハ『除倦覚醒剤』ヲ使用スルコトヲ得」と記載されています。
「視力回復錠甲」は視力の最高度発揮が必要な3日前より、「ビタミンA球」と併用して三日間連続して服用し、その後は3日間「ビタミンA球」のみを服用します。
「視力回復錠乙」は「視力回復錠甲」の代用品で、視力の最高度発揮が必要な1日前より「ビタミンA球」と併用して服用し、その後は5日間「ビタミンA球」のみを服用します。
「視力回復錠甲」は1日3回1錠ずつを食前に服用し、「視力回復錠乙」は1日3回4錠ずつを食後に服用し、「ビタミンA球」は1日3回2錠ずつを食前に服用することになっていました。「除倦覚醒剤」はその特性上から1日1回3錠という服用制限があり、作業従事の1時間前の服用が規定されていて、「塩酸フェニルメチルアミノプロパン」0.001グラムが主剤でした。
また「除倦覚醒剤」は、「疲労がポンと飛ぶ」という意味合いから「ヒロポン」の商品名称をつけられて民間でも販売が行なわれました。
コメント
07月21日
10:16
1: 退会済ユーザー
タイムスリップ出来たらいち早くやる事は
ヒロポンと銃の買占めやろうなぁ。
(昭和初期は銃類もヒロポンも特に免許も無しで
買えた)。
ちなみにヒロポンは現在も名前が違うが資格と
許可があれば買える。
07月21日
11:04
2: 汚れた英雄(ひでお)、ロー〔略〕使な
暑い日が続くので疲労をポンとやりたいものです。
使い方をあやまらなければ。哲也の印南みたいに麻雀するときだけとか(だけ?
07月21日
11:12
3: U96
>シュタイナーさん
古銭を持って行かないと・・・
07月21日
11:35
4: U96
>汚れた英雄(ひでお)、ローズマリー・バトラー、♪ウィーアーチルドレンオブザライトザフューチャーウィーウィルガイド←それ光の天使なさん
今手元に太田出版の「人格改造マニュアル」があるのですが、3日に1本吸うのが耐性ができにくい。もし、毎日1本になったら、2週間休め!とあります。あぶないと思ったら、精神病院に行くこと。分裂病治療薬で大方1週間以内に治るそうです。
07月22日
06:46
5: 葛湯
ヒロポンは「はだしのゲン」のイメージ強いですね。
07月22日
06:51
6: U96
>葛湯さん
確かビタミン剤だと言って打つのでしたよね。