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U96さんの日記

(Web全体に公開)

2018年
06月04日
04:19

アメリカ南北戦争(その13)

 北部にとって、1863年は西部戦線のチャタヌーガの戦勝などで暮れ、1864年は明るい新年となりました。3月9日にはグラントが総司令官に任命され、以後彼は東部戦線で指揮をとることになりました。彼がすべきことは、リーを撃破し、リッチモンドを占領する事でした。だがリーは西部戦線で相対したどんな軍人とも出来が違う軍人でした。しかもリーに残された唯一の方法は「北軍に多大な出血を強いて、戦争継続を諦めさせる事」です。リーの持つ兵力64000に対してグラントは100000の兵を率い、ウィルダネスの密林を通って進撃を始めましたが、リーのウィルダネス作戦はグラントに17700もの損害を与え、南軍の損害はその半分に満たなかったのです。
 だがグラントは不屈でした。続けてスポットシルヴェニアで12200、コールド・ハーバーで12000と、戦力の比率ではほぼ同じながら、数の上では遥かに多い損害を出しつつ、リッチモンドへ向かって進撃しました。それは北軍兵士にとって恐怖の日々でもあったのですが、南軍は南軍で、グラントの前では勝利が何の意味も持たない事を思い知らせざるを得ませんでした。
 6月3日の時点で北軍はリッチモンドまで15kmの地点に達していたが、リーの軍隊を撃破せねばリッチモンドの占領はおぼつかない状況でした。グラントはリッチモンドの南にあるピーターズバーグを占領してリーの補給を断つ作戦を立てたが、危ういところでリーはピーターズバーグに突入し、その機会は失われてしまいました。もはやグラントの軍には、ピーターズバーグを一気に落とすだけの兵力も火力もありませんでした。彼はピーターズバーグのリーの軍を包囲する作戦に出ました。包囲戦は6月18日からその後9ヶ月の長きに渡って続きました。しかしこの選択は正しかったのです。なぜなら、動けないリーは危険でなかったからです。その間に、シャーマンが南部連合軍の力をがたがたに破壊する事になります。
(つづく)

コメント

2018年
06月04日
08:40

劣勢に立たされてこそ名将の真価が発揮される良い例ですね。

>動けないリーは危険でなかったからです
U96さんは良い事書くなあ~
田中先生の「イゼルローンが通れなければ 別の道を通れば良い」に匹敵する言葉ですね!! 感激しました!!

2018年
06月04日
16:20

2: RSC

兵力で圧倒するグラントと防衛に徹したリーで悪い意味での噛み合いが発生してしまった形ですね。

2018年
06月04日
16:48

3: U96

>ディジー@「本好きの下剋上」応援中さん
1864年4月2日、リーはついに囲みを破って脱出し、ノースカロライナのジョンストンとの合流に向かいます。そして狙うはシャーマンの首です。ですがついに兵は13000にまでなってしまいます。さて続きは次回か?それとも明日は南軍最後の勝利、チカモーガを書くか?

2018年
06月04日
16:52

4: U96

>RSCさん
リーは攻撃のみ才能を発揮する人物です。塹壕の中にいて、さぞ無念な思いだったことでしょう。リーとグラントの会見までわずか。そのまえにアトランタ陥落も書かねば。

2018年
06月04日
20:55

>シャーマンが南部連合軍の力をがたがたに破壊する事になります。
いよいよ次回はシャーマン無双か?!

コーエーテクモも米国南北戦争無双をだしてもいいかもw

イケメンだらけで腐女子の財布を・・・髭面だらけで売れないかw

2018年
06月04日
21:33

6: U96

>櫻 弾基地さん
残念ながら髭面だらけなのですね。明日はアトランタ陥落になるでしょう。シャーマンの無双をお楽しみに!