聴音襲撃(Sonar Approach)は、ソナーの探知方位のみにより、目標運動解析をするので、難易度が高い欠点があります。しかしながら、デジタル式指揮管制装置の性能の向上により、難易度はしだいに低くなっていると考えられます。
海上自衛隊の守秘義務から、あまり詳しいことは出せません。
一つの方法としてストリップ作図(strip plot)の触りを紹介します。「ストリップ」とは「細長い片」の意味です。ソナーの方位線を単位時間ごとにプロットしていくと、一般に扇の串状になります。そこで、速度別に作成されたストリップ・スケールを選んで、プロット上で合致する位置を見つけ出します。合致した点から、目標の針路・速力・距離が判明します。この作業には熟練を必要とします。
目標運動解析には、指揮管制装置が不可欠です。第二次大戦後、アナログ式からデジタル化されたこの装置は、計算速度が速いのみならず、複数目標の同時解析が可能となりました。アメリカの潜水艦は、指揮管制装置と作図を併用していますが、イギリスの潜水艦は指揮管制装置だけで解析しているといわれていますが、これが事実ならばすごいことです。
(次回、魚雷射法編に続く)