日本海軍の食料研究は兵員の健康維持から始まったところもあって、栄養管理にはことのほか厳密です。例えば「切り魚は絶対に洗うな」とされています。切り口から栄養素が流れ出すのを嫌ったためです。
野菜の皮のむき方にもこれは現れていました。特に根菜類では皮のすぐ下に栄養素、つまりうま味が集中しているといわれているので、サラダにする場合など、皮のままゆでた後、手で皮をむく。このほうが薄く皮がむけるのです。じゃがいもやにんじんなどは適度な火の通し方をすれば、きれいに薄皮がむけます。逆にゆですぎると皮の下のうま味部分が抜けてしまうので、これも注意されていました。
現代では捨ててしまう玉ねぎや長ねぎの根は「根は植物が栄養素を取り込む部分で、栄養が集中している」ということで、きんぴらにしたといわれ、だいこんの皮もきんぴらにしたり、漬け物として利用しました。
捨てるしかないものは「玉ねぎの皮」だけだったと言うので、徹底しています。
コメント
08月14日
13:25
1: ヤスト
生鮮食品の確保が困難な
海上ならではという考え方ですね。
長い航海で一番怖いのは敵の船ではなく、
栄養の偏りかもしれません。
08月14日
13:29
2: U96
>ヤストさん
はい。怖いのは壊血病でした。ヨーロッパでもじゃがいもが新大陸からもたらされるまでは、過酷だったかと思います。
08月14日
14:28
3: 退会済ユーザー
どうもー
ある材料で栄養管理ってすごい大変ですね…
まあそうやって栄養学も進歩したんですかね
歴史に詳しくないのでアレなんですが
大航海時代ってじゃがいも入荷前なんですかね
08月14日
15:17
4: U96
>アニメの人さん
どうもー
じゃがいもは16世紀にヨーロッパにもたらされ、ヨーロッパ全土で栽培されるようになるのは17世紀からのようです。
08月14日
18:40
5: 鉄砲蔵
オーガニックレストランでも野菜は皮の着いたまま煮て食べるのがいい、と聞きましたが、煮方が適当なら手で剥けるんですね。
やはり人体を正常に動かすには栄養のバランスが重要、ということですね。今になってしみじみ思います。
08月14日
19:33
6: U96
>鉄砲蔵さん
海軍はオーガニックの思想で維持されていたのですね♪
08月14日
23:14
7: META
ジャガイモは
ポテトサラダとかに使うときは、
そのままレンジで温めてから皮をむいてます。
むく時に物凄く熱いんですが……。
08月14日
23:27
8: U96
>METAさん
豆知識ありがとうございます。
オーガニックも浸透したものですね。