現在のコロナ禍の中で開催されているか定かではありませんが、神戸では阪神基地祭がそれにあたるかと思います。JR摂津本山から送迎バスがでていたはずです。私の目当ては金曜カレーでして、もちろん、秘密の屋台です。公式ホームページにも金曜カレーの屋台が出るとは予告されません。現地に着いたら、地面に捨てられたポリ容器をたどっていくと極秘事項の金曜カレーの屋台を発見できます。しかしながら、私はまだ一度も食べることができずにおります。前回は、列を見つけて並ぶことはできたのですが、私の2人前で売り切れとなりました。「200人分用意していたのですがねえ・・・」そういえば、旧海軍の頃から軍艦の釜は200人分の調理能力です。海上自衛隊は旧海軍の軍人が作りました。陸上自衛隊はアメリカの指導で作られたのと対照的です。何でも進駐軍が「近代海軍をつくるには50年かかる!」と言ったので、旧海軍の顧問を招聘するのを許したそうです。
「観艦式」ではアイドルが1日艦長を務めることがあります。そんな時は艦橋内部まで上げてもらえるチャンスです。船の特徴として、艦橋で双眼鏡で外を見張っている人間と配置について、舵を握っている人間が別々にいる事です。まず、時刻を打つ鐘「三点鍾(船鐘OR号鐘」です。現在の時刻の回数を打つわけではありません。一点鍾から八点鍾があるのですが、三点鍾だと、「カンカン!カン!」を1時半、5時半、9時半、13時半、17時半、19時半、21時半に鳴らします。これは民間の船舶でも同じです。半というのが半端な気もしますが、これは帆船時代、砂時計で30分を算出するたびに鐘を鳴らしていた名残です。スピードはレバーを回転させて切り替えます。停止、微速、半速、原速、強速、第一戦速、第二戦速、第三戦速、第四戦速、最大戦速があります。操艦は、面舵(おもかじ)とは、舵を右に転ずることをいい、取舵(とりかじ)とは、舵を左に転ずることをいいます。発声は「おもーかーじ」と「とーりかーじ」で、強風下の艦橋でも錯誤が生じないよう、異なるイントネーションとしました。ようそろ(宣候)は直進および了解の意味で使われます。
では、実際に舵を右に取って、旧針路の000度(真北)から新針路の045度(北東)へ方向転換してみましょう。操艦者「おもーかーじ」、操舵員「おもーかーじ」(復唱)、操舵員「面舵20度」(舵角を報告)、操艦者「もどーせ」、操舵員「もどーせ」(復唱)、操舵員「舵中央」(舵角を報告)、操艦者「45度よーそろー」操舵員「45度よーそろー」(復唱)、操舵員「よーそろー45度」(定針を報告)、操艦者「よーそろー」(了解)と、いう具合です。
海上自衛隊を楽しむために旧海軍の知識を覚えるのは大いなる喜びです。旧海軍はイギリス海軍のコピーだったので、戦時中でも英語がOKでした。しかもキングズイングリッシュです。例えば、水兵に洗濯のための手桶を支給して、身の回りの物を管理させていたのですが、それは、オスタップと呼ばれました。アメリカ英語だとウォッシュタブです。戦後、イギリスを旅行した海軍関係者がベッド&ブレックファーストという安宿を利用した時、洗濯したくて、「オスタップ!」と言ったら通じたというのは有名な話です。それから20ノットはふたじゅうノットと発音します。1ノットとは、1時間に1海里進む速度を言います。1海里は、緯度1分(1852メートル)です。潤滑油をじゅんこつゆと言うのは、海軍なまりです。
さあ、みなさんも「観艦式」、基地祭を味わいましょう!
追伸:旧海軍関係者に曜日の感覚を忘れないために、金曜はカレーなのですよねえ?と言ったら、艦にもカレンダーくらいある。毎週カレーがあったわけでない!とやんわり叱られたそうです。
またまた余談ですが、海上自衛隊は金曜カレーが高じて、全国の基地でどこのカレーが旨いのかの競技会があります。まあだいたいは、割りルウは複数のメーカーを混ぜる。隠し味にインスタントコーヒーを入れるは共通しております。