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U96さんの日記

(Web全体に公開)

2014年
01月04日
14:46

陣地防御について(完)

陣地防御での逆襲
 さて次に以前出てきた逆襲について、お話しすることにしましょう。ここでの逆襲は、陣地防御における逆襲について、ということになります。どのようなものかというと、陣地を奪回するために、防御部隊が行なう攻撃行動、ということができます。つまり、陣内に侵入した敵部隊を、逆襲部隊の反撃によって撃破し、奪われた陣地を奪回しようというわけです。
 では、この逆襲を成功させるための、条件について考えてみましょう。まず、侵入した敵部隊を撃破するに足る、機動打撃力を持った、逆襲部隊が必要ですね。一般的には、これは予備隊をもって行なわせることになります。そして、この逆襲部隊に、有利な状況を作り出すために、当面する敵の衝力を阻止する陣地、およびその守備隊も重要な条件です。そして、敵侵入部隊を火制でき、かつ後続部隊を遮断することのできる火力が、必要な条件とされています。つまり、敵の後続部隊を火力によって阻止し、侵入部隊を他の部隊と分断して孤立させ、その侵入部隊の衝力を、陣地によって阻止している間に、予備隊による機動打撃によって逆襲し、これを撃破してしまおう、という考え方なわけです。
 この逆襲は大別すると2つのものにわけられます。1つは今お話ししたような予備隊を主力とする逆襲で、これを主逆襲と呼びます。もう1つは、陣地守備隊が行なう逆襲で、局地逆襲と呼ばれるものです。主逆襲は、重大な敵の侵入を排除して、陣地を奪回するためのもので、あらかじめ予備隊として、拘置されていた部隊を主力とします。また、この主逆襲は、その防御戦闘の帰趨に、決定的な影響を与えることになります。従って、必要に応じて、他の正面から部隊を転用して、守備隊の増強、あるいは逆襲部隊の増強を行なうことに、躊躇してはならないとされています。そして、火力は逆襲正面に集中させ、敵の後続部隊を遮断すること。逆襲部隊は侵入部隊の肩部、あるいは側面を攻撃すること、などに留意しなければなりません。
 もう1つの局地逆襲は、より小規模の逆襲で、先に言ったとおり、陣地守備隊によって行なわれる逆襲です。この局地逆襲は、敵の侵入を小規模のうちに排除して、陣地を奪回しようという逆襲のことです。つまり、陣地指揮官は敵が陣内に侵入したならば、それに対して局地逆襲を行なうか、あるいは阻止を続行するかをすばやく判断し、その決定によって行なわれるのが、この局地逆襲というわけです。
 これら逆襲の、発動の決定時期という問題は、非常に難しいものといえるでしょう。これは、各方面などの状況の推移を見守りながら、敵が混乱した時期、また攻撃衝力が喪失した時期に乗じて、発動することとなっていますが、このような戦機の判断力は、結局は指揮官の度量如何ということでしょう。
 また、同時に2方向から敵が侵入したような場合には、どのように逆襲を行なうべきなのでしょう。この場合には、一般的に言って、最も危険な敵に対しての逆襲を優先的に行ない、その他の敵に対しては、必要最小限の部隊で、阻止を行なうこととされています。
(完)・・・終わった!ひよっとしたらまた何かあるかも・・・

コメント

2014年
01月04日
16:57

力作となったと思います

戦術というのは単純な物ではない


ということがよく理解できました

2014年
01月04日
17:17

2: U96

>あおねこさん
ありがとうございます。

陣地防御と機動防御は混ぜて使う事もあります。その配分も指揮官の裁量です。

力作でしたなば、嬉しく思います。

2014年
01月04日
21:03

近接航空支援のない、純粋な陸戦だとなかなか大変ですよね……。
どちらにしても、いかに彼我の状況を的確に把握するかという、斥候能力も重要な気がしますね。

2014年
01月04日
21:10

4: U96

>咲村珠樹さん
おお!A-10ですか・・・確かルーデルの指導によって、開発されたのですよね。ありがとうございます。