では、陣地防御における各部隊についても、触れておきましょう。陣地防御においては、部隊は大別すると、陣地守備隊と予備隊に分けられることは以前にお話したとおりです。
まず、陣地守備隊についてですが、この部隊の任務は、言うまでもなく、配置された陣地をあくまで確保し続けることにあります。また、その編成ですが、通常は、歩兵を主体とし、それに戦車、装甲車、対戦車火器などをもって増強する、というのが一般的といえます。
次に予備隊についてですが、この部隊の使用目的は、敵の突破の阻止、空挺・ヘリボーン部隊の撃破、また、逆襲などに用いられます。この予備隊の使用について注意しなければならないことは、できるだけ、積極的な目的のために使用すること。また小刻みの使用は、できるだけ避けることとされています。つまり、小出しに陣地守備に消費させるのではなく、できるだけまとめて、逆襲や重点的な投入をこころがける、ということですが、これも指揮官の作戦、考え方によることは言うまでもありません。この予備隊はできる限り機動力をもたせ、戦車などによって増強すべきとされています。また状況によっては、手元にある工兵隊や２線級の部隊によって、予備隊を編成することも必要な場合があるでしょう。
（次回最終回「陣地防御での逆襲」）・・・果たして無事終わるか？
