おたくMk2

タグ : 美少女ゲーム,エロゲ

2013年
11月24日
00:28

古き良き美少女ゲームの話

この間店で見かけて値段が安かったので衝動的に購入した美少女ゲームがありまして、それをやっていて色々思うことがあったので書こうと思った次第です。


　その話題のゲームはBlack cycの「GUN KATANA non-human killer」です。
　ゲームの内容を簡単に説明すると、モンスター（本作ではnon-humanと呼ばれ、また基本的な外見は人間と判別できない）狩りに巻き込まれて育ての親を殺されたヒロイン（本作は女性主人公）がいつか自由を得ることを夢見て親を殺した組織の飼い犬として義理の弟とともにモンスターハンターとして生きる、というものになります。

　んで、モンスターハンターなんですからモンスターを倒すシーンが当然あるんですが…ＦＰＳなんです、それ。ＦＰＳが何なのか一言で言いますと「アメリカ人が好きそうな銃撃って暴れるリアルなグラフィックのゲーム」となります。それ以上の詳しい説明はググってください。なお本作ではタイトルにある通り、銃だけでなく刀も使用できます。
　


　ここまで読んで「そんなエロゲーつくるなんてこいつら正気？」と思った方、あなたは正しい。このメーカーは（現在はリメイク作品の販売以外ほぼ活動停止していますが）基本的に「パッと見頭がおかしいコンセプトに基づいてつくられたようにしかみえない作品」をつくることに定評がある会社です。やれ「ホラーでわけわかんない怪人とそれを従える謎の美少女によってグロ画像的な目に遭うことから逃げ回る」だの「拉致されたヒロインとそのヒロインが生んだモンスターの絆を描く」だの「女性の体の部位でもっとも男性が興奮するのは靴下」だの「１８禁ならタブーを気にしなくていいからとガチの障害者をネタにした」だのと…。これらにくらべたらＦＰＳでモンスターを蹴散らすくらいむしろ計算の範囲内ですねｗ


　まあそんなメーカーのつくったエロゲーなんですが、このエロゲーには「古き良きエロゲー」の要素が詰まってると思いまし、それは語って伝えるに値することだと私はプレイしていて感じました。なのでここで取り上げることにしました。（開始３分で「うおっ、絵が古い！」と感じてしまったのもその理由の一つではありますがｗなお本作は２００７年８月発売）


　なにがいいか、一言で言うなら「１８禁でしかできない要素をてんこ盛りにしつつ、それがゲームのストーリーの向上に全て寄与している」ということです。
　エログロ満載ですがそれは「他人がろくに信用できない、実力がなければ死ぬハンター社会の現実」ですし、 グロだ
って「性格のぶっ壊れたモンスターと闘えば拷問の一つもある」でしょう。登場人物は反社会的だったり、悪人が出たりしますが、それだって「モンスターハンターの社会」やそもそも闘う相手であるモンスターがこの世界にいる真の理由が隠されているという現実やら、主人公が所詮は組織の飼い犬にすぎないことやらなんやらを考えたら必要です。それにどいつもこいつもすげえキャラがきっちり立ってます。個人的に「よくできたキャラだなあ」と思ったのは佳凪というキャラで「リアルにいそうなクソガキ」としてきちんと描写されていますｗあ、善人もちゃんといますよ。
そして大局的には「そもそもヒロインが求めていた「自由」ってなんなのさ」っていうテーマに行きつきます。（これは少々大げさか）……まあガチホモがいてウホッなシーンもあったりするんですが…。しかもその片方の男の娘が声優がみるだということもあって結構かわいかったりもするんですが…まあそれは「こういうアナーキーなこともするぜ！」ってポーズなのでしょう、きっとｗ
　こういった「１８禁じゃないとできないフリーダムな要素を盛り込んで成立している作品」って久しくやってないなあとプレイしていて感じました。そもそもＦＰＳ搭載のエロゲーってなんですか。「こんなエロゲーはやりたくない」って２ちゃんでスレ立てたら絶対５０番以内には挙がりますよ。
　そういえばエロゲーってそもそも「表現規制がざるであることもあって好き放題な創作ができるフィールドだからおたく文化の一分野として認知された」という歴史があったんですから。この歴史をプレイしていて思い出しました。

　ちなみにこのメーカーのほかの作品も奇想天外なエログロ要素の割にはしっかりしていて、上であげた順番で行くと「ホラーだと思ってたら実は純愛物語だった！」 だの「ちゃんと幼女時代から中年時代までのヒロインの人生しっかり描いた！」だの「一般社会への風刺としてきちんと物語が成立していた！」だの「ループものとしてもきちんと物語が成立していた！」といった内容になっています。ただの意味のないエログロではないのですよ。




　最後に、この作品は全ＥＤを見ると声優のコメントが聞けるのですが、主役のヒロインを務めた風音様（なぜ様をつけたかはググってください）が コメントにて「以前出演したこのメーカーの作品では「攻略対象ヒロインだと聞いていたら実は真のヒロインの前座の前座に過ぎなかった」ことがすげえ不満だった」という内容をマイルドに述べていましたｗ