私が現在通っている職業訓練校では、空前の零戦ブームです。
講師が「永遠の0」が良かったと言えば、女子もそれ読んだ!と熱くなっています。
ある時、級友が「零戦のキャブレターはどんな構造をしているのですか?」と聞いてきました。「魔法瓶のような容器に真空と大気圧の差を利用してガソリンを汲み上げます!」と答えたところ、「それでは自動車と同じですね。なぜ宙返りをしてもエンジンが止まらないのですか?」と聞いてきました。
困って、ググってみたところ、一時的にガソリンの供給が途絶えてもエンジンは止まらないこと、零戦には宙返り用の燃料タンクがあったこと、下向きの気筒にはインテークマニホールドによって、ガソリンが円滑に供給される工夫があったとありましたので、そのまま伝えると、「でもガソリンを汲み上げるのはキャブレターでしょ?」と言われました。
どなたか詳しい方、教えて下さい!
コメント
07月18日
22:30
1: ディジー@「本好きの下剋上」応援中
中々楽しそうな学校ですね!^^
U96さんも色々と勉強して 皆さんに教えてあげてください・・・
・・・あれ? 勉強違い!?
07月18日
22:52
2: 咲村珠樹
手っ取り早く紹介すると、このページをご覧ください、となるのですが……。
http://home.f04.itscom.net/nyankiti/ki43-sub3-engine1.htm
要は姿勢に応じてバルブが作動し、自動的にオーバーフローしないようになっていた訳です。
各気筒に対しては過給器で送り込んでいます。
エンジンオイルもオイルポンプがありますが、星形エンジンは軸の遠心力も利用できるので、どんな姿勢でもまんべんなく供給することができます。
ただ、急降下時はちょっと事情が違って、燃料の流動性と機体の重さとの間に差がある為、燃料がキャブレターに送りにくくなる面がありました。
ドイツのメッサーシュミットBf109などに使われていた、ダイムラーベンツDB601シリーズ(603・605)は、キャブレターではなくインジェクション方式を採用していました。
これにより、どんな姿勢でも強制的に燃料を噴射できたのですが、反面機構が複雑になりました。
戦場での列線整備で調整が難しく、現場の兵が「気難しいお嬢さん」と表現したのは、これら高性能だけど複雑な機構が災いしたんですね。
07月19日
00:53
3: U96
>ディジーさん
勉強違いですが、頑張ります。
ありがとうござあああいます。
07月19日
01:01
4: U96
>咲村珠樹さん
おお!ありがとうござあいます。
とても分かりやすい説明でした。
07月20日
23:36
5: あおねこ
あまり気にしたことなかったです
確かに宙返りとか考えると作りは難しくなりそうですねえ
07月20日
23:40
6: U96
>ああおねこさん
確かに宙返り用に複雑になりますね。
07月22日
00:49
8: 咲村珠樹
飛行機用燃料供給装置にとって、一番困るのが「背面姿勢」です。
宙返りやロール(横転)などはほぼ瞬間的なものなのですが、背面飛行となると燃料をエンジンに供給するのが大変になります。
飛行機には何度まで機体を傾けて飛べるか、というので種別が分かれます。
宙返りやロールなど、背面姿勢になる機動が行えるのが「曲技用」という種別。
一般の旅客機では60度バンクまでしかとることができません。
で、背面姿勢ですが、通常では背面飛行を継続するには燃料をエンジンに送り込む能力が曲技用でも足りない為、背面飛行には時間制限があります。
それを超えると燃料を送り込めなくなり、エンジンストールに繋がります。
その為に、特別な強制的に燃料を送り込む装置を使って、背面飛行時間の延長をはかったりします。
写真は富士重工のFA200「エアロスバル」。
中島飛行機の戦闘機「隼」や「疾風」の最後の子孫で、このクラスの軽飛行機としては異例な「曲技用」の種別を持つ為、宙返りも可能です。
それでも背面飛行になると燃料供給が厳しいので、この機体(アクロバット飛行を行うチーム「レッドスバル」の使用機)には後付けで背面飛行用の燃料・オイルの供給装置「インバーテッド・オイル・システム」がついています。
エンジンのところに表記があるのが確認できるかと。
ちなみに、現代のジェット戦闘機にも背面飛行の制限時間があります。
多くの機体は1分以上背面飛行をすると危険な為、コクピットに警報が鳴るようになっているんですね。
07月22日
06:15
9: U96
>咲村珠樹さん
なるほど!背面飛行は危険なのですね。
よく分かりました。ありがとうございます。