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U96さんの日記

(Web全体に公開)

2013年
03月20日
19:06

機動防御について(その2)

 機動防御を成功させるために必要な条件とは何でしょうか。
 まず第1に、「敵に勝る機動打撃力」を有していなければなりません。しかしこれは、何も攻撃できるくらいの力を持て、と言っているのではありません。すなわち、ある場所、ある時期において、侵入してきた敵部隊を各個撃破できるような、機動打撃力を持つことが必要だと言っているのです。したがって、機動打撃を与える敵部隊に対して、迅速に移動することができる機動力、そして、その敵を撃破できるだけの打撃力が必要だということです。
 第2には、「敵に勝る火力」ということです。機動打撃を行なう、まさにその場所、その時期においては、その行動は攻撃そのものであるわけです。つまりそこにおいては、攻撃を行なう場合に必要とされる要件を、満たしていなければならない、ということに着目しなければなりません。攻撃において、特に重要とされる要件、それは機動力の発揮、そして火力の優越、この2つです。機動打撃を行なおうとする場合にも、攻撃の場合と同様、この火力が、機動打撃をする場所、時期において、敵に勝っていなければならないわけです。
 そして第3には、「機動打撃の支とうとなる要点の確保」ということがあります。これはつまり、機動打撃の好機を作る、あるいはまた、機動打撃を有利に行なうために必要な、地形を確保しておくということです。したがって、これを行わなければならないのは、機動打撃部隊ではなく、主として守備隊であるということです。守備隊がこのような戦場の要点を確保し、敵の攻撃に対して頑強に抵抗することによって、初めて機動打撃の好機が生じて来るわけです。機動打撃においては、このような陣地守備隊と、機動打撃部隊の連係ということには、特に留意しなければなりません。
 以上のような条件を満たしつつ防御を準備し、また戦闘を行ない、有利な態勢のもとに、「敵を奇襲」し、「各個に撃破」するということは、常に頭においておかなければなりません。こちらはあくまで、戦力の少ない防御側なのです。つまり弱者なのです。そこにおいて必要とされることは、弱者の戦術ともいえる「奇襲」です。これは強者には「奇襲」は必要ない、ということではありません。
(つづく)

コメント

2013年
03月21日
00:18

1: 退会済ユーザー

各個に撃破は重要ですね。
奇襲攻撃によって通信司令部等を制圧、戦場を混乱
させれば自ずと勝機も見えてくる。ですかね?

2013年
03月21日
09:48

2: U96

>おるぽんさん
 通信司令部まで制圧するという考えは第一次大戦でドイツが考案した浸透戦術です。日本はこれに飛びつき、夜間の無発砲での浸透戦術を確立しました。
 これは歩兵を戦車に置き換え、第二次大戦の電撃戦となります。注意しなければならないのは浸透戦術も電撃戦も戦線の薄いところを探しながらできるだけ前進し、通信司令部を制圧した後は反転し、多数の敵を包囲してしまう点にあります。
 各個撃破の達人はナポレオンです。先に内線を取って機動力でもって敵を撃破しました。
 ナポレオンの弱点は熟練兵の不足でした。これゆえ、統率しやすい縦隊を採用したところ、瞬足の兵団が生まれたのです。