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U96さんの日記

(Web全体に公開)

2013年
03月19日
20:13

機動防御について

 「陣地防御」、「機動防御」とは、防御という戦闘をどのように行なうかという、その考え方の違いです。つまり、陣地防御とは、陣地による火力に主体をおき、敵の攻撃を破砕しようというものであり、機動防御とは、陣地による火力には主体をおかず、機動打撃部隊による機動打撃によって敵の攻撃を破砕しようというものなのです。

 ではまず、機動防御が陣地防御と比べて、どんな点が異なっているか、ということについてみてみましょう。機動防御の特性とは、次にあげるようなことです。
1、機動打撃力が強大である
 機動打撃部隊を主体として戦闘を行なうわけですから、陣地を守備する部隊を強化するのではなく、機動打撃部隊の機動力、打撃力を強大にしなければなりません。
2、障害の価値が増大する
 攻撃側には機動の利があるのですが、その攻撃側に対して、機動打撃によって、その攻撃を破砕しようというのですから、当然、攻撃側の機動力を減殺し、我が防御側の相対的な機動力を大きくすることを、考えねばならないわけです。そういう意味において、天然障害の利用、対戦車壕や地雷原など人工障害を設置するという価値は非常に大きくなるわけです。
3、戦闘地域の縦深が大きい
 これは後で詳しくお話しすることですが、機動防御においては、敵が守備隊展開地域に侵入することを前提として、防御戦闘を行なわねばなりません。つまり、それだけ戦闘地域の縦深が確保されなければ、機動防御を有利に行なうことができないわけなのです。これは防御方式を選定する時、機動防御を行なうか、あるいは陣地防御を行なうかの、非常に大きな目安となるものです。
4、陣地の前面における初期火力が弱小
 これも後でより詳しくお話しすることですが、機動打撃にその主体をおく機動防御では、陣地を守備している部隊の火力は、陣地防御をする場合に比べて弱体になってしまいます。つまり、陣前に指向できる火力が、小さくなってしまうわけですね。これは機動防御の特徴の1つです。しかし、これを機動防御の弱点とみるのは、少々、短絡的といえるでしょう。この特徴を長所とできるか、欠点とするのかは、防御指揮官しだいだと言って良いと思います。
(つづく)・・・これは長引きそう・・・

コメント

2013年
03月19日
20:21

実は私は 中世以前の歴史の方が得意なのですが、
籠城するか、会戦に持ち込むか?で考えてしまいます。

2013年
03月19日
20:29

2: 赤羊

面白い話ですねー
FPSのチーム戦(爆破戦)でも使える…ようなそうでもないような。
c4設置ポイントに固まって守るか、それとも遊撃するか…みたいな。

2013年
03月19日
20:33

3: U96

>ディジーさん
中世の頃ならば、指揮官が有能で兵の士気が旺盛ならば野戦で2倍くらいの数の敵を撃退することも可能でした。

2013年
03月19日
20:43

4: U96

>ましろんと一緒にバームクーヘン食べたい赤羊@ましろんからエノキをプレゼントされたいおさん
・・・おっ!食いついてくれましたか・・・ありがとうございます。
敵が集結してしまわないうちに叩く、つまり各個撃破が必要ですね。そのためには敵に勝る機動力がなくてはなりません。

2013年
03月19日
21:31

なんとなく解りましたが、
奥が深すぎて頭がこんがらがりそうです(汗)

2013年
03月19日
21:53

6: U96

>えんぶんさん
私もこんがらがりそうです。
敵が陣地によって、機動の自由を奪われている間に機動の自由がある自軍が攻撃にかかるのがマントイフェルの機動防御陣です。戦後、アメリカがドイツの機動防御を徹底的に研究しました。

2013年
03月19日
23:52

7: 退会済ユーザー

航空圏の制圧も重要なポイントですよね。
歩兵からしてみれば、F15等の味方戦闘機が天使に見えます
ちょっと話が違いますね、話が難しくて頭が回ってませんw

2013年
03月20日
07:14

8: 退会済ユーザー

ナウシカ原作第3巻にあった
クシャナ殿下の騎馬隊がザ~~~~~っと
敵の先回りして叩き潰していくイメージ・・・

機動防御って・・・

2013年
03月20日
10:38

9: U96

>おるぽんさん
いらっしゃいませ!
はい。制空権が自軍にあることは反撃に転じるうえで重要です。また第二次大戦のドイツ軍は戦車と同じスピードで進撃できる砲兵として、急降下爆撃機を重用しております。

2013年
03月20日
10:44

10: U96

>倶利伽羅いちろうさん
城壁を爆破して、包囲している攻城砲を破壊する話ですね。敵中に孤立している中での反撃として、機動防御の範疇に入れて良いのではないかと思います。