第二次大戦のソ連軍の自動小銃はサカロフが有名ですが、帝政ロシアの時代にも自動小銃はありました。これがなんと日本の三八式小銃の弱装弾を使用していました。
日本も参考輸入くらいしていれば・・・
しかしながら、冶金技術に劣り、しかもコストもボルトアクション銃の3倍する銃は日本の国力では無理だったかもしれません。
問題の銃はフェデロフM1916自動小銃でして、「突撃銃(アサルトライフル)」の始祖と呼ばれています。
この銃は25発マガジンを備え、しかもセミオートとフルオートの切り替えが可能なうえ、弱装弾をを使用しており、ほとんどアサルトライフルです。
この弱装弾は日本の6.5mm×50アリサカなのです。第一次大戦でロシアと同盟関係にあった日本は武器弾薬を提供したのですが、その中に三八式歩兵銃も含まれていたのです。
フェデロフは、三八式用の6.5mm×50弾の低伸性の良さと低反動に目をつけて新開発の自動小銃に取り入れたようです。
このフェデロフM1916は帝政ロシア軍に採用され、革命後の生産数も含めると6000~9000挺が生産されました。
1.
四方は静まり、丘に霞深し。
雲間より射せる月影に、
墓は寂として音もなし。
1.
Тихо вокруг, сопки покрыты мглой
Вот из-за туч блеснула луна,
Могилы хранят покой.
十字架は白く光り 勇士らは眠る。
人々はかつての俤を偲び、
戦ひに殉ぜし者らを心に銘記す。
Белеют кресты - это герои спят,
Прошлого тени кружатся вновь,
О жертвах в бою твердят.
2.
四方は静まり、風に靄は晴る。
兵士ら眠る 満州の丘。
屍は聞かず、ロシア人の慟哭を。
2.
Тихо вокруг, ветер туман унес
На сопках Манчжурских воины спят
И русских не слышат слез.
涕泣す、涕泣す、
故郷の母もまた若き妻も。
悪しく忌むべき運命に
人みな全て落涙す。
Плачет, плачет мать родная,
Плачет молодая жена,
Плачут все как один человек
Злой рок и судьбу кляня.
3.
高粱(こうりゃん)は奏でる 子守唄。
ロシアの英雄よ、祖国の子らよ、
諸君はここに永眠す。
3.
Русть гаолян вам напевает сны,
Спите герои русской земли
Отчизны родной сыны.
君たちは祖国ロシアの為斃れぬ。
任せよ、我ら君が為め仇を討たん。
そして いづれ盛大なる葬儀を挙行せん。
Вы пали за Русь, погибли за отчизну
Поверьте, мы за вас отомстим
И справим мы славную тризну!
コメント
01月27日
09:41
1: 鉄砲蔵
ナチスドイツ以前にもアサルトライフルってあったんですね~。
やはり登場する時代を間違えた銃ということですかね~。
でも冶金技術が劣る、というなら他の材質を検討するとか、何か方法は無かったのでしょうかね~。
01月27日
09:55
2: U96
>鉄砲蔵さん
ニッケルとかが欠乏し、クロームモリブデン鋼で代用するのですが、それが限界でした。
ついでながら、日本軍のヘルメット九○鉄帽は良質のクロームモリブデン鋼でできており、列強に見劣りしない防御力でした。ベルトでなく、かぶと結びで装着するのですが・・・
01月28日
00:18
3: あおねこ
うーんそんなかんけいが
01月28日
06:49
4: U96
>あおねこさん
弱装弾だから連射もへっちゃらなのです。
三八式歩兵銃はそうの命中精度の良さには定評があり、今でもフィンランドで弾が生産されております。フィンランドも独立戦争の折、日本から兵器を買い入れました。今は狩猟用として評判がいい銃です。
01月29日
01:39
5: 退会済ユーザー
三八式歩兵銃とロシアの小銃にそんな関係があったとは・・・勉強になります。
自動小銃がその昔に既に存在していたとは驚きですね。
さすがはロシアと思ってしまう。
三八式歩兵銃といえば陸上自衛隊に所属していた頃に
銃剣術用の木銃を使ったことがありましたが、あの木銃は三八式の形を模してあるという話を聞いたことが
あります。
昔の兵隊さんはアレに銃剣付けて突撃してたと思うと
感慨深いですなあ。
01月29日
05:46
6: U96
>edelwolf さん
なんと自衛隊にいたのですか・・・それは尊敬してしまいます。銃剣道も習っていたのですね。今は銃剣道も衰退しつつありますが、フランス外人部隊でも着剣すると戦意が高揚すると、銃剣はやめられません。
つまらないことですが、三八式小銃の三○式銃剣はゴボウ剣と呼ばれ、あれで土を掘ったり、雑用に重宝されました。