おたくの為のSNS おたくMk2

U96さんの日記

(Web全体に公開)

2014年
01月13日
21:27

日本潜水艦米本土砲撃

 開戦まもなく米空母を追って米西海岸まで迫った9隻の日本潜水艦が、そのまま通商破壊を米本土近海で実施しました。短期間だったので、撃沈・撃破は商船9隻に留まりましたが、後にも先にも、これだけの数の日本潜水艦が米本土近くで通商破壊を実施したのは、この時だけでした。
 さらに海軍上層部は、これら9隻で米本土への砲撃を企図、各艦に指示を出しました。威力こそ小さいまでも9隻が同時に米本土に艦砲射撃を加えたら、心理的効果は大きいと思われましたが、ちょうど砲撃予定がクリスマスになったため、抑留されている日本人への待遇悪化を懸念して、山本長官が延期を命じたといわれています。
 延期は燃料等の問題で中止を意味しました。よって、念願の日本潜水艦による米本土(正確にはカナダを含む)砲撃は、やや後に持ち越されました。
 最初の攻撃は、昭和17年2月24日、伊17潜によるサンタバーバラ油田地帯への砲撃です。先任将校、南部伸清大尉(後の伊401潜艦長)は、本来、浮上砲撃中は発令所に留まらなくてはならないが、世紀の米本土砲撃を見ずにはおられないと、ハッチから顔を出したら、遠く石油タンクに命中してはいるが、火花しか見えなかったと回想しております。
 次の砲撃は17年の6月21日で、伊26潜がカナダのバンクーバー島無線羅針局に、17発の砲撃を加えております。3度目は6月22日、伊25潜がオレゴン州アストリアに17発の砲撃(一説には20発)を加えています。それぞれ戦果は大きくはないですが、心理的な影響は多大でした。そして後にも先にも米本土に正規軍が艦砲射撃を加えた唯一の例でしょう。