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U96さんの日記

(Web全体に公開)

2013年
04月09日
20:16

オペレーショナル・リサーチ・対潜水艦戦

 戦闘作業の立案と、結果の解析によって、更にその改善を計ることを科学的方法によって行う。これを「オペレーショナル・リサーチ」(Operational Research)といいます。以下、ORと記載します。
 第二次大戦でイギリスのOR班はドイツ潜水艦対策に取り掛かりました。航空機で潜水艦を攻撃できないかというものでしたが、初めて基地航空機が対潜攻撃に使用したのは450ポンドの艦船用標準爆雷でした。
 爆雷は水中に沈降し、あらかじめ調定された深度まで行ったとき、水圧で爆発するものです。よってDepth Charge(深さで爆発するもの)の名前があります。航空機には使いづらかったので、250ポンドの飛行機用爆雷が出来て、低空飛行で安全に投下出来るようになりました。

 1941年の春に、OR班の分析研究によって、調定深度50呎(フィート)から150呎の範囲では深すぎて効果がないことが判明しました。
 はじめの立案では、潜水艦は航空機の姿を見ると直ちに潜行するので、そのときの相互の距離によって異なるが、航空機が潜水艦の真上に来て爆雷を投下し、これが沈下して爆発するまでには、潜水艦は50呎から150呎位までの間のどこかにいるに違いない。従って調定は100呎にすべきだと考えれれていました。
 ところが、実戦の例をORしてみると、航空機が潜水艦を見つけるときは、水上または水上に近い状態が多く、このときは潜水艦が潜ってしまっても位置は正確にわかります。こういうことが3回か4回に1回はあります。残りは見つけても追いかけても、潜行後1分間もたつと、潜水艦の位置があやふやになってしまいます。

 そこで潜行後15秒以上たっていない場合に重点を置いて考えると、全体的に攻撃の機会は発見回数の1/3か1/4になりますが、その代わり撃沈が確実になります。それならば爆発深度は25呎に調定するのが適切です。
 爆雷の起爆装置は在来のものでは35呎より浅くては働かないので、当面、35呎調定としました。その結果、航空機による潜水艦攻撃の成績は2倍から4倍ぐらいに向上しました。
 さらに爆雷は投入直後はその缶体の上の方に空気の尾を引いて沈んでいき、そのため発火用のピストルが水に触れないので、すぐには作動しないことが判明しました。研究の結果、空気の尾の出来ないところに起爆ピストルの位置を決めて25呎起爆の爆雷が完成しました。
 撃沈した潜水艦から脱出してきた乗員を捕らえて審問すると、彼らは最近はイギリスの爆雷の炸薬量が2倍になったために撃沈されることが多くなったと信じていることがわかりました。

コメント

2013年
04月10日
00:50

> ところが、実戦の例をORしてみると、潜水艦が航空機を見つけるときは

この文章潜水艦と航空機逆では?

2013年
04月10日
07:48

2: U96

>うちだたかひろさん
そうですね。確かにおかしな表現ですね。ご指摘ありがとうございます。