ではこの守備隊は、その防御地域にどのように配置されるべきなのでしょうか。
機動防御においては、一般的にいって、守備隊を拠点によって守備をする拠点守備隊と、その周囲を警戒する監視警戒部隊に編成します。また守備隊のために割かれるその勢力は、必要最小限にとどめて、できる限り機動打撃力を強化する、つまり、機動打撃部隊に可能な限りの勢力を集中することが重要です。
では実際において、どの程度の部隊を守備隊に充てるのが適当なのでしょうか。例えば、師団が機動防御を行なう場合には、守備隊、警戒部隊に、通常、1個連隊程度の部隊をあてるのが妥当とされています。そしてこれらには、対戦車隊、工兵隊、軽砲隊などをもって増強すること、となっています。しかしこれは、あくまで一般的な目安を言っているので、個々の戦闘状況によって、これが変化することは言うまでもありません。
さて、機動防御における守備隊は、拠点守備隊と、その周辺の監視警戒隊からなると言いましたが、守備隊の中核となるのは、拠点です。この拠点というやつですが、これは一般的な陣地よりも、より防御力を強化したもので、防御拠点という言い方のほうがよりわかりやすいと思います。そしてこの、守備隊の中核たる拠点の主任務は、機動打撃の支とうとなる要点を確保し、主力による機動打撃を有利にするということです。また、敵を欺瞞し、あるいは敵の攻撃を警告する、ということも任務の1つですが、これは監視警戒隊の任務でもあります。
では、この拠点がその任務、つまり「機動打撃の支とうとなる要点の確保」のために、拠点として確保すべき地域について、具体的に考えてみましょう。
1、防御地域の肩部。
まず、敵の突破口の肩にあたる地域、これは要点として、ぜひ確保しなければなりません。これは敵の突破口拡大を阻止するために必要なことなのです。この突破口の拡大を断固として阻むことによって、侵入した敵を後続部隊から遮断し、各個撃破の好機を作ることになるのです。
2、機動打撃に協力するための火力を、発揮することができる地域。
3、敵が侵入した場合に、我が機動打撃部隊が不利となる地域。
拠点の守備隊は、歩兵を主として編成されますが、常に対戦車隊、砲兵隊、工兵隊などによって増強して防御力を強靭にし、かつ、ある程度の独立戦闘力を与える、ということを忘れてはなりません。拠点の守備隊は、たとえ敵に包囲され孤立したとしても、拠点によって頑強に抵抗を続けなければなりません。
(つづく)
コメント
03月25日
23:39
1: あおねこ
くわしすぎる!
どこでそんなちしきを!!
03月26日
09:54
2: U96
>あおねこさん
戦争ボードゲームの解説からです。