戦後、復員者及び遺族の援護事務の窓口として、東京には第二復員局の下に、横須賀地方人事部東京支部が開設されました。
復員者とりわけ若い人々の中には、差し当りの仕事や将来の進路についての相談に来る者が相当数ありました。週一回芝公園内の安蓮社(小さいお寺)で希望者に観相の所見を提供しました。
昭和二十年の五月になると敵の本土上陸に備え、沿岸地帯に突撃隊が配備されました。飛ぶ飛行機の無い飛行訓練生がその隊員として配置されたのですが、観相学の専門家の水野義人氏が彼らを巡視した結果、彼らには死相が現れていないので勝負は海上で決まると判断されました。
以下は「操縦員適正検査に対する相学的研究」海軍航空本部「人秘」の解説です。
これによれば1、相学成績と卒業成績並びに航空事故との関係、2、相学各部と卒業成績並びに航空事故、機種別との関係等が書かれています。
相学各部とは、1、前頭部 2、後頭部 3、眼瞼 4、鼻骨 5、栂指根~7、栂指頭~9、掌紋です。
「相学各部」
1、前頭部
発達せし者・・・直観的判断力良
成績良好なる者に発達不良の者多きも、操縦に起因する事故多し。
2、後頭部
突出せる者・・・鈍なれど確実
平坦なる者・・・敏感
左右高低ある者・・・技倆にむらあり
成績良好なる者に後頭左低の者多きも、操縦に起因する事故多し。
左低の者・・・艦攻、陸攻
右低の者・・・飛行艇
突出せる者・・・戦闘機
平坦なる者・・・艦爆
3、眼瞼
一重、二重、左右不同とあり、左右不同の者は感情にむらあり。
成績不良者に左一重多く、且つ操縦に起因する事故多し。
4、鼻骨
鼻骨隆起せる者・・・性急
成績不良の者に隆起せる者多く、且殉職者多し。
5、栂指根
大なる者・・・作業力大、耐久力大
成績不良なる者に小なる者多く、又操縦に起因する事故多し。
・・・他にも骨相、手相の研究が真剣にされていました。
コメント
01月19日
19:55
1: あおねこ
今ではちょっと考えられません・・・
あの時代はある意味、
不確かな物に頼れると信じられたんでしょうか?
01月19日
20:46
2: U96
>あおねこさん
・・・陸軍にもありまして、おたくま時代にそれを書いたことがあります。
これが科学だと信じきっていたのです。例えば夢野久作の「ドグラ・マグラ」にある精神病の心理遺伝とか・・・
01月19日
22:37
3: 鉄砲蔵
アメリカ大統領呪殺まで日本軍にあり、成功だったかも、なんてありましたが、今にしてみれば幼稚でしたね。
01月19日
22:51
4: U96
>鉄砲蔵さん
それは本願寺の法主、大谷光瑞がルーズベルト大統領を呪殺しようとしていたのですよね。
幼稚ではなく真剣だったのです。当時は・・・
01月19日
23:09
5: 退会済ユーザー
観相学・・・
「この世の全てのイケメンに呪いあれ」は
ここから始まった!(違うだろ)
01月20日
01:32
6: U96
>倶利伽羅いちろうさん
ジェセル「偉大なるファラオに栄光あれ!」(違う~)
01月20日
19:30
7: 咲村珠樹
茨城にある「予科練資料館」にも、実際に予科練の選抜(操縦適性試験)で人相や骨相を観た旨、資料が残っています。
適性というものがどこで判断できるか判らなかったせいか、かなり統計的にデータを残していたみたいですね。
……といっても「選抜された候補生の中でのデータ」に過ぎないので、落とされた人にも優秀な飛行機乗りの才能があったかもしれませんが(^^;
01月20日
20:34
8: U96
>咲村珠樹さん
ありがとうございます。
http://m3axgxt3ih.meblog.biz/article/11386151.html