レーダーは大戦中期から少数艦に対水上/対空見張用のFuMO30型が、1944年からかなりの艦に対空見張能力に優れたFuMO61型が装備されました。逆探は1942年からメトックス、1943年末からナクソスなどが逐次設置されました。水中測的には、艦首部下方にGHG型集合聴音機と、艦首甲板上にKGB回転式聴音機を装備しました。
ⅦC型はⅦB型より排水量がわずかに増加し、水上・水中速力は若干低下しました。潜航秒時は30秒、安全潜航深度は100メートル、圧壊深度は250メートルでⅦB型と同一です。プロトタイプのⅦA型より潜航秒時は若干長くなりましたが、航洋性と水中機動力は良好でした。
ⅦC型の建造は1941年にそれまでの戦訓に基づき改良設計したⅦC41型に移行しました。耐圧船殻鋼材の増厚により安全潜航深度を120メートルに、圧壊深度を300メートルに増大(爆雷攻撃対策)、艦首形状をアトランティック型に改正しての航洋性向上が主な改正点で、潜航深度のほか排水量759トン、水中860トン、全長67.2メートルなどがⅦC
型と要目上の相違です。
ⅦC型とⅦC41型は、デーニッツ提督草案の群狼作戦に最も対応しうる艦として、ゲルマニア社を指導造船所としてドイツ国内の16造船所で徹底的な大量建造方式で造られました。ⅦC型は計画数643隻に対して発注数593隻、起工数582隻で、1940年7月から44年8月の間に577隻が就役しました。ⅦC41型は計画数323隻に対して発注数239隻、起工数91隻で、1943年8月から45年5月の間に88隻が完成しました。両型合計で実に665隻が終戦までに就役したのです。
これらは北大西洋などで敵護衛船団との激しい戦闘に耐えうる能力を発揮し、イギリスを飢え死に寸前まで追い詰めたのですが、喪失艦も多く両型合計510隻に及んでいます。終戦時に60隻弱が自沈し、約90隻が残存していましたが、戦後これらは連合国に引き渡されました一部はしばらく使用され、
大部分は海没処分にされました(1隻はスペイン艦となり戦後も存在しています)。現在キールのラボエにある海軍博物館に保存・展示されているU995(ⅦC41型)が唯一の現存艦です。
なお、1942年に安全潜航深度を200メートルに、水上速力を18.6ノットに増し、やや大型化したⅦC42型の設計がまとまり、442隻が計画され、165隻が発注されましたが、潜水艦整備方針が水中高速艦XXI型の建造に変更されたため、全艦未起工に終わっています(終わり)。
コメント
10月31日
00:28
1: 咲村珠樹
ここいら辺がVIIC型Uボートでしょうか。
U-177を駆るRobert Gysae艦長(1944年1月のニュースフィルム)
エーリッヒ・トップ艦長率いるU-552(1942年のニュースフィルム)
10月31日
07:00
2: U96
>咲村珠樹さん
U177は間違いなく、もっと大型のⅪD/2型です。
…二隻ともカリブ海侵攻「ドラムビート作戦」に参加しているので、U552もⅪ型の可能性が大ですね。
貴重な映像をありがとうございました!