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U96さんの日記

(Web全体に公開)

2012年
10月18日
20:30

伊52潜水艦

 伊51潜水艦(海大Ⅰ型)と同じく、大正7年度に計画され、海大Ⅰ型では不十分であった性能向上を図り、改正を加えたいわば改良発展型です。
 主機(おもき:エンジンのこと)として、スイスのズルツァー社に依頼していた新設計の大出力ディーゼルが完成したので、これを「ズ式三号ディーゼル」と命名し、2基搭載して速力22ノットを出す計画でした。
 主蓄電池は海大Ⅰ型と同じ電器型456個を搭載して、主電動機は900馬力2基に改められ、補助発電機として300キロワット2基を装備しました。
 燃料搭載量は284,5トンと大幅に削減されたので、航続力が10ノットで1万海里に減じました。
 船体構造も円筒形の一般的な物に戻ったのですが、水上高速力を増すため、船体の長さと幅の比率(L・B比)を大きくし、艦首形状も凌波性を良くするよう改良されました。
 急速潜航速度を上げる爲、注排水弁も大きな物としたので、その水密性確保や人力閉鎖の負荷などの対処に手間取り、何回も修正を加えています。
 ちなみにこの海大Ⅱ型は、世界で初めて水上速力20ノットを越えた高速潜水艦で、試作の域を出ない海大Ⅰ型に比べ、事実上海大型のスタート台となった潜水艦でした。
 当初、本型は2隻建造予定でしたが、2番艦の第64潜水艦(後の伊号第53)が海大Ⅲ型aに変更された為、本艦1隻にとどまりました。
 本艦は第51潜水艦として大正11年に呉工廠にて起工されたのですが、建造中の大正13年11月1日に「伊52潜」と改名、大正14年に完成しました。